八女伝統本玉露は世界に通じる
八女茶の最高級ブランド「八女伝統本玉露」を世界に発信しようと、福岡県八女市や生産者、茶匠の各団体などでつくる「八女伝統本玉露推進協議会」が、高級ボトリングティーの開発を進めています。八女茶の発祥600周年となる2023年春の完成を目指し、世界で活躍するソムリエ、フランソワ・シャルティエ氏と連携してブランド力を高めるとともに、販売網を構築していく考えです。
「高級ワインに匹敵」
「国内にとどまらず、世界中に八女茶ファンが増えれば、すばらしい」
逆風の中でも海外市場への道を探り続け、世界の著名レストランに名前が知られるシャルティエ氏。
カナダケベック州出身、2016年からはバルセロナ在住のフランソワ・シャルティエは1980年代後半から私たちの日常生活、その中でも特にガストロノミーやワイン・飲料の世界におけるアロマの効果について追求してきました。
自身を『ハーモニークリエーター』と称し、ガストロノミー界では他に類を見ない成功を収めてきました。1994年にはソムリエの世界チャンピオンとなり、出版書籍では「グルマン世界料理本大賞」を2010年(パリ)、2013年(パリ)、2016年(中国)の3度も受賞しています。
福岡市内のホテルで2022年12月に開かれた記者会見で、推進協議会の江島一信会長はボトリングティー開発プロジェクトへの期待を語りました。
半年前に訪れた八女で、地元独特の飲み方「しずく茶」などを楽しみ、「あの感動は忘れられない。人生が大きく変わった」と八女茶にほれこんだそうです。「エレガントで後味が長く続く、ドイツの最高峰の『リースリング』(ワイン)を飲んだときのような印象を受けた」
ボトリングティーは4月に完成させ、シャルティエ氏が世界の著名レストランに紹介して販路を広げていく方針です。「まずは海外で重点的に取り組みたい」(広報担当者)としており、国内では将来的に、高級飲食店での提供や贈答用での販売が行われる見通しです。
・福岡県茶業の歴史
茶の栽培、製茶、喫茶が日本でいつから始まったかについては諸説があるが、栄西禅師が1191年にちゃの種子を中国(宋)から持ち帰り背振山に播いたのが始まりとされている。
本県の主産地である八女地域の茶業は、1423年に周瑞禅師が中国(明)より帰国し、現在の黒木町笠原に霊巌寺を建立し、持ち帰ったちゃの種子を播き、製茶法を授けたのが始まりとされている。
「福岡の八女茶」ロゴマークについて
八女茶発祥600年という、「歴史と伝統」、「品質の高さ」 をロゴマークで表現しています。
八女茶本来の色である「黄金色」 を中心に配置し、高級感をイメージ
八女地域の歴史的建造物のべんがら壁にも見られる「弁柄色」と千年の後も変わらない不変の意味を示す縁起の良い色「千歳緑」で、八女茶の「伝統」を表現しています。
四隅に「青色」を配置し、八女茶を育む矢部川の清流をイメージ。
伝統もありながら、斬新さもあるロゴマークに仕上げています。
あまく、旨みの強いお茶
芽重型の芽を摘採したら、よく蒸し(深蒸し)てお茶を作ります。
出来上がったお茶を急須で淹れるとグリーンになります。
「あまくてコクがあり旨みの強い美味しいお茶」が八女茶の特徴です。
また、福岡県は高級玉露の産地として知られています。
そして、玉露は八女市山間部の黒木町、上陽町、星野村で生産されています。
玉露の被覆は化学繊維で織ったネットが多くなっています。
ですが、八女の伝統本玉露は昔ながらの稲わらを使用して被覆を行っています。
全国茶品評会で20年連続で農林水産大臣賞と産地賞を獲得しています。
八女のお茶は手間を惜しまず、丁寧をモットーとした栽培を徹底しています。
ぜひ、一度八女茶のおいしさを堪能してください。