八女茶の中でも高級とされる八女伝統本玉露は生産量が日本一です。
福岡県八女市を品質の高さもさることながら、日本有数の高級茶産地として
全国に知っていただけたのもこの八女伝統本玉露のおかげです。
全国茶品評会で連続して農林水産大臣賞を受賞しており、
玉露の部では1位から26位までを独占し、他産地をうならせたほどです。
それほどに素晴らしいお茶が育つのには、八女市山間部のなだらかな傾斜山地、
夜間にグッと冷え込む気温があります。
玉露は、日光に当てないように覆いをして育てる最高級緑茶です。
その栽培には大変な手間がかかります。
その手間暇を惜しまず、昔ながらの伝統を守り続けている
生産者のお茶を愛する心があってこそのものです。
八女伝統本玉露は一度味わえば忘れることのできない、
まろやかな甘み、芳醇な香り、味わいのあるコクととても素晴らしいお茶です。
八女伝統本玉露の始まり
明治12年に当時の住職故田北隆研師が、清水寺一帯の茶樹から玉露の製造を開始し、その技術が八女地方に伝授されました。
これが八女玉露の始まりとされています。
筑紫平野南部(八女地方)は、地質的に筑後川と矢部川の両河川から運搬された土砂(腐葉土)が交互に堆積した沖積平野からなっています。
霧(朝霧や川霧)の発生しやすい土地柄でもあり、 茶畑があるなだらかな山の斜面を霧が覆い 太陽光を適度に遮ることで、
茶の旨み成分であるアミノ酸類(テアニン、グルタミン酸、アルギニンなど)の生成を促進し、
栽培されるお茶はコク、甘みを強く感じるものが多いのが特長で、古くから天然の玉露茶として珍重されてきました。
茶の生育に関る気候も、八女地方は 日中の気温が高く、 夜間は冷え込む特有の内陸性気候と
年間1600mm~2400mmの降雨量が 周瑞の学んだ中国蘇州の霊巌山寺付近の気候に近く、茶の栽培に適していたとされます。
八女地方は、昔から高品質な玉露の生産が盛んでした。
その高品質な玉露の生産を維持するため、平成9年から「伝統本玉露」という名称が使われ始めたのです。
では、その「伝統本玉露」になれるのはどのような玉露なのか。
技術的な条件は次のとおりです。
1.自然仕立(かまぼこ型でない)の茶園
2.肥培管理が十分行われた茶園とする。
3.被覆は棚掛けの間接とし、稲わらを使った資材とする。
4.被覆の期間は16日以上とする。
5.摘採は手摘みとする。
6.茶葉が硬化しないよう、適期に摘採する。
7.生葉管理に注意し、欠陥なく製造されたものとする。
これが基本的な生産技術から見た八女伝統本玉露の条件です。
この条件を満たしたものが、JA全農ふくれん茶取引センターへ出荷された再に「八女伝統本玉露」と呼ばれるお茶になります。
こうして厳選された希少な八女伝統本玉露だからこそ、世界に認められるまでになったのは言うまでもありません。
皆様も是非一度八女伝統本玉露の味を知ってください。
きっと、虜になることでしょう。