献茶祭 八十八夜 霊巌寺 福岡の八女茶発祥600年

2023年5月2日

八女茶発祥600年を記念して、県・市・そして八女茶に関わる多くの方々が、ここで“八女茶”が生まれた、とされる八女市黒木に所する“霊巌寺”(れいがんじ)にお集まりになり、本日今後の“八女茶”のさらなる発展を願って、「八女茶誕生600年 献茶祭」が開催されました。

“霊巌寺”は、八女市から山手に30分ほど登ったところにあり、川の音と、鳥のさえずり、木々の葉が風に揺られてなびく音、時折行き交う車の音しかしない奥八女に静に佇んでいます。

今から600年前、1423年に明国(現:中国)で禅の修行を終えた栄林周瑞禅師が、中国で修行をした地に似ていることから、この地、八女市黒木町笠原の庄屋 松尾太郎五郎久家に、持ち帰った茶の種子を与え、製茶技法と共に一般に伝え広めたことが「八女茶」の始まりとされています。

“霊巌寺”は、松尾太郎五郎久家の援助を受けて建立され、毎年“八十八夜”に栄林周瑞禅師を偲ぶ「献茶祭」が執り行われており、今年は「八女茶誕生600年祭」ということで、“

八女茶“を守って頂いている多くの方々にお集まり頂き、盛大に「八女茶誕生600年 献茶祭」を執り行うことができました。

時代が刻々と変化し、人の心も目新しいものに飛びつき移り変わりの激しい世の中にありながら、600年もの年月、こうして“八女茶”が受け継がれてきたことは、それだけ日本人の心に“お茶”が必要とされ、愛され続けてきた証であり、また、この“八女茶”を作り続けてきた茶農家様たちの“美味しい八女茶”への強い思いがなせることだと思います。

一人では不可能なことも、皆が同じ気持ちで、大切なものを守り続ければ、伝統はこうして守られてゆくのだと強く感じました。

600年という年月は、口で言うほど簡単ではなく、この長い年月の間、ここ八女で、代々継承されてきた“八女茶”という“銘茶”を今後、700年に向かって次世代に受け継がれてゆく為に、私たち世代ができることはきっともっとあるはずです。

このひっそりとした奥八女に、これほど大勢の方が集まり厳粛に執り行われている「八女茶誕生600年 献茶祭」を機に、私たち一人ひとりの心にもう一度、問い直してみたい。

ただ、“守る”だけでは、今後は続かない。伝統も文化も、そこに新しいエッセンスを加えて初めて、新しい人たちの目に触れてゆく。

その為にもまずは、“本物の日本茶”を味わったことのない多くの現代人に、茶碗を両手で包んで、“本物の日本茶”を味わって欲しい。その瞬間、間違いなく、“初めてのむ緑茶の味”を体験できるでしょう。

たまたまこの記事を読んだ方や、たまたまこのウェブサイトに訪れた方に、“八女茶”への興味を持って頂けたなら、“八女茶”を飲んでみたいと思って頂けたなら、是非一度、福岡の八女市に立ち寄って頂き、100% 純粋な“八女茶”を本当に美味しいお茶を淹れることができる人に淹れてもらい、飲んで、堪能してみて欲しい。

今後とも、福岡の銘茶“八女茶”をどうぞよろしくお願い致します。

 福岡県茶業振興推進協議会

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