八女茶はなぜおいしい?
福岡県八女地方は、九州最大の河川である筑後川と矢部川の清流に挟まれた筑後平野南部に位置し、肥沃な土壌と豊富な伏流水に恵まれた茶の栽培には最高の土地です。
雨量も多く、昼と夜の寒暖差があり、自然条件がお茶作りにはとても恵まれた場所だといえます。
特に、山間地は朝・夕に露が多く発生し、これは玉露など上質茶が出来る過程に大変有利な条件となります。
量より質の八女茶 高級茶
八女で作られるお茶は、茶の芽を少なくして、ひとつひとつの葉を大きくしっかりと育てる方法を用いています。
育てた茶葉はほとんどが二番茶までしか摘みません。
栽培面積に対して、生産量が少ないのは、それが理由で、量より質を重視した栽培方法によるものです。
この製法により栽培される八女茶は味が濃厚で特有の甘味があり、苦み渋みが少ない、日本有数の高級茶八女茶として
名を知られています。
八女茶は「日本地理的表示保護制度」に登録されています。
地域の農産物やブランドを守るために始まった「地理的表示保護制度」に八女茶が誇る逸品
「八女伝統本玉露」が登録されました。「GIマーク」を見つけたら思い出してください!
八女茶の歴史
今から約600年前 室町時代中頃に栄林周瑞禅師が、黒木町に霊巌寺を建立。
明から持ち帰った茶の種をまき、栽培方法を伝えたのが八女茶の始まりとされています。
お茶が少しずつ、一般の庶民に広がるにつれ、江戸中期には八女市黒木町を中心にかなりの生産量を栽培するようになっていました。
江戸後期には山間部全域に栽培が広がり、生産額も増大。輸出も重なり、急激に生産量が増えていきました。
明治から大正時代にかけて、八女市全域に栽培が広がり、養蚕を茶の栽培へ転向する動きが見られるほどでした。
第二次世界大戦中は、食糧生産が優先されたことにより、茶の栽培は減少傾向に。それでも終戦後には輸出の再開があり、また茶の栽培は増大されました。高度成長とともに、お茶の需要が増大。
現在では、昭和40年の2倍の面積での栽培がおこなわれています。
昔ながらの製法を、変えずに守り続けてきた八女茶は、今でも量より質を貫いています。
ひとつひとつに手間暇をかけ、おいしく上質なお茶作りを続けている茶農家。
ぜひ、一度八女茶をご堪能ください。
古来の想い出がよみがえる一滴です。