手もみ茶 を知っていますか?
手もみ茶 を知っていますか?
その名の通り、手でもんだお茶のことです。
機械を使わずに、人の手でお茶の生葉を揉んで作ったお茶になります。
最近は、お茶の製造には機械を使いますが、昔は、全て人の手でお茶を揉んで作っていました。
これは、時間もかかりますし、製造できる量はわずかとなるため、価格も大変高くなります。
高級な物の中には、1Kg=10万円以上になる物もあります。
そのため、現代では、伝統継承のために、手もみ茶の大会を開催したりして
皆様に知っていただく機会を設けています。
手もみ茶 って美味しいの?
手もみ茶 にも生葉の品質が大きく影響しますので、下級の茶葉よりも上級の
茶葉(上級煎茶や玉露など)を使った方がもちろん美味しいです。
それから、さらに重要なのは、手もみの技術です。
上手な方ほど仕上がり具合も芸術品です。
品質の良い 手もみ茶 は、茶の葉が針のようにとがっていて、お湯をかけた時に
葉っぱが元の形に蘇ります。
まさに感動を生むお茶です。
人それぞれの好みにもよるかと思いますが、手もみ茶 はやはりおいしいです。
手もみ茶づくりは簡単?
手もみ茶 って、ただ単に、葉っぱを手で揉む?
そう思ったら大間違いです。
実は、手もみ茶 とは、かなり大変な作業になります。
まず、焙炉(ほいろ)という台の上に蒸したお茶の生葉をのせます。
それから、焙炉の表面が40℃~60℃くらいの中で手揉みをし、乾燥させます。
工程の中では、茶揉みが一番大変な作業です。
中腰の状態で、長時間茶揉みをするため、かなり体力を要します。
また、焙炉の熱で火傷の恐れもあります。
作業時間は4時間~6時間と言ったところです。
乾燥の時間をいれるともっとかかります。
昔はこうした、工程を経て、わずかなお茶を作っていたのです。
八女市では手もみ茶の体験も行っています。
ご興味がある方は、ぜひ、一度体験してみてください。
八女茶の特徴と歴史
八女茶とは、福岡県八女市を中心に栽培される日本茶の総称で、煎茶や玉露などの品種があります。
八女茶の歴史は古く、江戸時代には八女藩の特産品として幕府や大名に献上され、明治時代にはロンドン万国博覧会で金賞を受賞しました。
八女茶の由来 約600年の歴史
お茶の原産地は中国雲南省といわれ、日本へは唐の時代に中国より仏教修行の僧侶たちによって伝わりました。
国産の茶生産は、1191年中国の宋に学んだ僧・栄西が、筑前背振山に茶種を播き、博多に聖福寺を建立し、境内にも茶を植えたのがはじまりとされています。
その後、この茶の種が、山城宇治、伊勢、駿河と広がり現在の茶産地となっています。
八女茶のはじまりは、僧周瑞が1423年(応永30年)に霊巌寺を建立するとともに、お茶の栽培を伝えたのが由来とされています。
八女茶のこれから
福岡県茶業振興推進協議会(八女市)の松延久良事務局長は「家庭内での消費が低迷し、贈答用としてのお茶も動かない、本当にいいお茶でないと価格が付かない時代になりました。
600年続いたブランドが将来も存続できるよう、それぞれが力量を発揮しないといけない」と強調しています。