八女茶のルーツ
福岡県八女市黒木町笠原。
人里離れたという表現がふさわしい山深い地域。
この小さな茶畑が点在する山間部で、八女茶は生まれました。
今年、八女茶は生誕600年。
1423年に明(中国)から帰国した栄林周瑞(えいりんしゅうずい)禅師は、かつて修行した中国・蘇州霊巌寺(れいがんじ)の景観と似ている、ということから、八女市黒木町に同名の寺を建立。
この地に茶の種子を持ち帰り、その栽培方法を伝えました。
八女茶の代表格 八女伝統本玉露
福岡県を代表する高級玉露である八女茶の玉露。
とろりとした甘みと豊かなコク が特徴的な味です。
八女地方は、日中の気温が高く夜間は冷え込むといった1日の 寒暖差が大きい気候 です。
そのため、茶葉に甘みが凝縮しやすくなっています。
まさしく、お茶のための土地と言ってよいほどです。
高級茶である八女茶は、一般的な緑茶と比べるとお値段もやや高めです。
また八女茶は、お茶の平均単価が日本一としても知られています。
八女茶の平均単価が高い理由は、八女で生産されるお茶のなかでも特に高級玉露(本玉露)が多くを占めていて、高級玉露の生産量は日本一(約45%)です。
八女の高級玉露は、全国茶品評会でも農林水産大臣賞を受賞するなどの高い評価を受けていて、その値段と高級さから贈答品としても好まれています。
八女茶の高級玉露はなかなか手が出しにくいですが、煎茶や抹茶などはお手頃な価格なものもたくさんあります。
そして、玉露に限らず、すばらしい味わいのお茶が揃っています。
自分好みのお茶を探すのもこれまた良いものです。
健康にもおすすめ 八女茶の効果
近年、緑茶の健康成分である「緑茶カテキン」が、私たちの健康に大きく関わることが分かってきています。
特に「殺菌」や「抗菌」、「抗酸化」などは、カテキンの持つ代表的な効果の1つです。
摘みたての八女茶の茶葉のなかには次の4種類のカテキンが含まれています。
- エピカテキン
- エピガロカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキンガレート
収穫した茶葉はその後、加熱処理を行いますが、その過程で茶葉のなかのカテキンが次のように変化します。
- エピカテキン→カテキン
- エピガロカテキン→ガロカテキン
- エピカテキンガレート→カテキンガレート
- エピガロカテキンガレート→ガロカテキンガレート
カテキンは非常に酸化しやすい物質ですが、緑茶は製造過程で加熱処理が行われ酸化酵素の働きが抑えられるため、ほとんど酸化しません。
緑茶のように、酸化酵素の働きが抑えられたお茶を「不発酵茶」と呼びます。
また、酵素の働きを利用した「紅茶」などのお茶を「発酵茶」と呼びます。
殺菌(抗菌)・抗ウイルス
カテキンは、殺菌(抗菌)と抗ウイルスに効果を発揮します。
ウイルスの細胞は尖った突起(スパイク)を持っていて、突起の先端部分に、私たちの細胞とくっつくためのジョイントがあります。
このウイルスの持つジョイントが、私たちの細胞にくっついてしまうと、風邪やインフルエンザのような病気を発症します。
カテキンには、このジョイントがくっつくのを防止する効果があるので、殺菌効果が高いといわれています。
インフルエンザ予防
この季節に?という感じですが、インフルエンザが流行っています。
そこで、カテキンの殺菌作用はインフルエンザの予防にも効果があります。
インフルエンザ予防のひとつであるワクチンの予防接種は、感染力の無いウイルスを私たちの身体にあらかじめ投与することで、体内にインフルエンザの抗体を作り予防する方法です。
このため、ワクチンに用いたウイルスの型と流行するウイルスの型が異なった場合、ワクチンによる予防接種の効果は期待できません。
カテキンの殺菌効果は、インフルエンザの型に関係なく効果があるため、インフルエンザの感染予防に効果があります。
梅雨の時期に体調を崩しがちな方も、緑茶を飲むことで、体の中から予防し、元気に過ごしてください。